コーチングの基礎基本という講座の初回を受けて、そのアウトプットとして、息子にコーチングのいろはの「い」を伝えるセミナーをしたことは、先日お話しした通りですが、今回は、その2回目を受講した実感をアウトプットしていきます。
前回(第1回目)も思ったことではありますが、先ずはコーチングをするうえで、普段内省をする癖や、その習慣がない人にとっては、自分の内側に目を向けること自体が大変難しいということ。
先ずはこれを理解したうえで、相手の望む未来に寄り添い、同じ方向を見て伴走していくことが、より良いかかわりになるということを改めて学びました。
先ずは「いま、ここ」の確認
具体的には、先ずは現職の位置確認と、今何を考えてどんな思いでいるのかということをご自身で再確認していただくことですね。
現職とは、いまここ、現在、自分が抱えている問題や、持っている感覚、言葉により意識している、クライエントに見えている世界だと私自身は捉えています。
そのために、先ずは聴く。
事実を中心に、クライエントの話したいことを話したいように話してもらう。
そこで五感を働かせながら、様々な効果的な働きかけをしていきたいなあと感じました。
相手の表情を読み、使う言葉を丁寧に聞き取り、話のリズムや声の抑揚に合わせて相槌をうったり、ジェスチャーやオウム返しを織り交ぜたり…
そうしているうちに、クライエントとのコミュニケーションが深まり、ラポール形成が深まっていることも、鼻を利かせながら感じ取る。
そして、聞くことが出来て初めて「質問」のフェーズに入っていけるわけです。
ラポール形成の確認
ここで確認しておきたいのは、しっかりと相手とのラポール形成が出来ているか。
例えば「あなたのそばに四角い物はありますか?」という質問に対して、質問された側は四角いものを探そうと視線を泳がせます。このように、人間は『相手から質問を受けると、その質問に答えようとする』スイッチが入るってことですね。
なぜなら、私たち現代人には、このように反応するプログラミングがされているから。
だから無意識に質問の答えを探してしまうんですが…その質問を『誰にされるか』によって、答えを探すスイッチが入った時の感覚がちょっと違ってくるってところが重要です。
それは、信頼関係がある相手からの質問は、スムーズに受け取れるけれども、あかの他人やあまりよく知らない人からの質問は、受け取りにくいし、それをすることに抵抗が生まれてしまうから。
あまり考えたことは無いかもしれないけれど、誰でも「そう言われれば…」と思い当たりそうだなと感じました。
だから、質問をされた時に、抵抗なくスッとその言葉を受け入れられるか否かは、コーチングが効果的に機能するか否か、を決定づける最大の要素と言っても過言ではないでしょう。
まずそこが出来ていなかったら、たとえどんな素晴らしい質問をしたとしても、相手には全く効果のない、時間だけが無駄に過ぎる。これは、何とも寂しい結果になってしまうというか、もはや時間の無駄遣いになってしまいそうですね。
だから、やっぱり『先ずはラポール』なんですね!
ラポール形成が出来て初めて、コーチとクライエントが「コーチング」というセッションの入り口に、二人並んでしっかりと立てる。互いを見合って、共に未来へ向かって歩き出すことへのマインドセットを確かめ合うことが出来るのだと確信しました。
そして、互いに信頼しあえると確認が出来て初めて、コーチングの扉を開くことが出来るということなんですね。
さらに、コーチングの効果を最大限に引き出すためには、今回のセミナーで学んだ『質問』が大切なポイントになってきます。
質問には「自分のための質問」と「相手のための質問」があり、どちらを投げかけるかによって、結果が全く違ってきてしまうということ。
例えば、相手の状況を収集しようという意図で質問をしてしまうと、次にどんな質問をしようか、相手からこういう答えを導き出したい…など、セッショニストの中の「こうしたい」「こういう結果に結び付けたい」という欲が表面化して、結局はクライエントの現職の部分を聞くにとどまるという結果になってしまいます。
『訊く』ということ
なぜ『訊く』のか。
この問いに対する答えは、クライエントの意識の外側『価値観レベル』、さらには『人生レベル』を意識させ、そこを見せて、ご自身の中に気づきを得てもらうためであり、それによって、目的を明確にし、進む方向性をしっかりと意識したり、そこへ向かうというマインドセットをしてもらうためだと思っています。
自分が思っていることと、口をついて出てくる言葉の意味は、本人の中でもぼんやりしていて、その言葉が表すことや意味合いを明確に捉えているのかと言えば…実は甚だ怪しい(笑)
どんな意味で、どういう感情でその言葉を使っているのか。それを自分の中でもしっかりと確認してもらうこと、事象と言葉を紐づいたものとしてとらえること。それがクライエントが見えていない部分を見せて、その外側へ思考を巡らすための手助けとなるのですから。
人は、自分の使う言葉に対して、おおよそいい加減なものです。
具体的な言葉を使っていても、考えは具体的になっていなかったり、抽象的な言葉を使って抽象的なものの見方をし、自分をごまかしている場合さえ往々にしてあるのですから。
だから、セッションによって、クライエントの中に空白を生み出す。
その空白によって、自分の言葉とこちらが投げかけた言葉から、自分の答えを生み出すという作業をしてもらう。
するとその「答え」が、相手にとって新しい気付き、或いは、着眼点、或いは発想としてキャッチされ、さらに深い思いや考えをめぐらすきっかけになっていく。
人に備わった、質問をされたらその答えを探しに行くという反射的な行為が、クライエントにとってより良い働きになるように、その機能を相手のために最大限に活かせたら嬉しと思うし、何よりクライエントのお役に立てることが、私の幸せに繋がるのです。
それには、相手が気づいていない、意識していない、無意識の中にある感覚・感情に気づいてもらうこと。そこにサーチライトを当てるように「質問」することが、コーチをはじめとする対人支援を生業とする者の、大切な役割であり、磨くべき技術だということです。
相手の答えには干渉せずに、考える内容や、思考の道筋に干渉して「導く」働きかけをする。
フォー・ユーの質問を多用して、相手が内省できるあらゆるチャンスを作り出すことが良いコーチとしての要素であり、それだけしていれば、勝手にクライエントの思いは深まり、目指す目的に近づいていくことでしょう。
セッショニストは、相手の話の行く末を、俯瞰して見渡す感じ。
意図を持った質問はするけれど、相手を動かそうとはしない。操作しようとしない。
相手の答えに期待せず、予想せずに平らに見て、五感を使って「鼻を利かせる」。
それが相手にオートクラインを起こし、たくさんの気づきを得る経験をしてもらえるから、クライエントに「効く」。
そして、セールスもまた然り。
セールスでは、答えを自由に選ばせるのではなく、こちらの用意した答えに導く。
それが大切だと気づかせる。
それを選ぶことが未来につながるという働きかけをする。
相手の見えていない世界を、想像の世界を広げてゆくのか、しっかりと的を絞ってゆくのか。
私自身は自由にそれを導き、クライエントは導かれることで良かった、嬉しい、充実しているなどの「よい影響」を受け取ってくれたら、互いにハッピーで言うこと無いなぁ…理想的だなぁ。
そんな風に感じました。
互いに良い影響を与え、話すたびにオートクラインを起こし、スパイラルを起こしながらますます高く上がっていく…まさに気流に乗って高く高く舞い上がる猛禽類のように、私も心から理想的なかかわりを目標に、幸せな未来を目指して邁進していきたいと強く感じた次第です。
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